訪問診療
脳・神経疾患のために通院が難しい方への訪問診療

“住み慣れた場所で、安心の医療を”
“家族みんなが笑顔になれる訪問診療を”
・当クリニックでは車で15分圏内程度の近隣のみだけですが、訪問診療を行っています。
・一般に「訪問診療」の対象者とは、病気や障害、高齢による衰弱などで、一人での通院が難しい、またはほとんど不可能となった方や、足腰が弱い、脳卒中後遺症・パーキンソン病などで歩行が不安定、長時間の座位保持が困難な高齢者の方などと決まっています。こういった患者様宅へ、主治医が計画的に直接自宅へお伺いして診療を継続するシステムを「訪問診療」といいます。本人または家族の付き添いで、安全に通院できる方は、訪問診療の対象外であると言えます。「訪問診療」は「往診」とは異なり、契約した患者様にのみ行い、当クリニックでは月2回の診察に伺っています。(※ 当クリニックでは単発の「往診」は行っておりません。)
・当クリニックの対象患者様の例
✔ 通院が難しくなった高齢者の方
✔ 脳卒中の後遺障害が強い方
✔ 自宅へ退院したあともリハビリテーションで最大限能力を引き出したい方
✔ 嚥下障害(飲みこみにくさ)が残存している方
✔ 予想以上に早期に自宅へ退院することになったので、自宅での生活の再スタートをしっかりと支えてほしい方、など
訪問診療を受けているからと言って、ときどき大きい病院を受診することができなくなる、などの制約は一切ありませんのでご安心ください。
訪問診療開始への進め方
・訪問診療をご希望される方は以下の進め方をご覧ください。
① まずご家族様と当クリニックで一度面談を行って、ご希望されましたら訪問診療を開始させていただきます。
② 面談時には紹介状と、(脳・神経疾患の場合)脳画像をご用意いただきたいと希望しております。
③ (本人様の同席のない)家族様のみの面談は無料です。
ご相談をご希望の方はどうぞお電話でお問い合わせください(0797-91-6076)。
・注意点や、メリット・デメリットについて
① 当クリニックは”在宅療養支援診療所”の申請や”時間外対応加算”の届出は行っておりません。すなわち24時間365日対応型ではありません。おうちでのお看取りが近づいている方や、常時対応が必要な在宅患者様は24時間365日対応型を選択される傾向がありますが、そうでない病状の場合は必ずしも医師が24時間対応である必要はありません(患者様の自己負担額も在宅療養支援診療所よりも低く抑えられるときがあります)。
② 当クリニックの訪問診療は、毎回同じ医師だけがご自宅へお伺いします。24時間365日対応の規模が大きな訪問診療クリニックでは、毎回どの先生が診察に来てくれるか、来てくれるまでわからない訪問体制であることもあります。確かに様々な専門を持つ医師の目を通して同じ患者様を診察するメリットもあるのですが、いつも同じ医師だけが訪問するメリットとして、患者様のいつもと違うちょっとした変化にもちゃんと気づくことができます。「問題は持ち帰って、前回訪問診療医と相談して対応を検討しておきます」、などと先送りにする必要はなく、その場で最善の方法を検討し始める有意義な診療となります。
③ 当クリニックの訪問診療に対するお支払いは、毎月20日締めとしており、その後にご家族様にクリニック窓口までお越しいただき、ご清算をお願いしております。訪問診療中に金銭のやりとりは行っておりません。あらかじめご了承ください。
当クリニックの訪問診療の特徴について
・当クリニックの訪問診療の特徴について
まず第一に、リハビリテーション科専門医が訪問診療に携わるケースは全国的にも非常にまれです。その長所はまず患者様の「活動をどう維持・向上させるか」という他科医師にはなかなかない観点からの介入が可能であるところです。患者様のニーズを把握し、担当する理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の方向性を統合したり、リハビリテーション効果を最大限に引き出すために関与することができます。(誤解を恐れず例えるならば、オーケストラ楽団(各セラピスト)に指揮者(リハビリテーション科専門医)がいるかいないかで完成する音楽(患者様の改善)は変わりうる、というイメージです。)
また毎回の訪問の経過は、その都度ケアマネジャーに連絡しています。これによって患者様をとりまくチーム(各種関連職種の方々)とも、常に最新の経過と治療方針を共有し、迅速に指示内容をアップデートすることを心がけています。
次に、嚥下障害を併発している場合は嚥下内視鏡を持参して自宅での食事場面ののみこみ評価(ムセの評価)を行うことができます。この検査を受けることで飲み込みの問題点が可視化できます。この検査により嚥下障害が”百聞は一見に如かず”の状態となるため、言語聴覚士(ST)や訪問看護の日々の訓練が漫然としたものではなく、改善に向けた具体的かつ効果的なアプローチとすることができます。
最後に、脳神経外科専門医として救急病院で重症な方を治療してきた豊富な経験もありますので、全身管理は当然しっかりと可能です。胃瘻・尿道カテーテル管理などももちろん行えます。このように、通常の内科的な在宅医療に加えて、身体の能力の維持でなく改善を共にめざす訪問診療を受けたいと希望される近隣の方はどうぞお問い合わせください。
・訪問時間帯は(日中に行わず)午後の遅い時間(例:18時以降、など)で行っています。
これにより(患者様がひとりで留守番をしているときの訪問診療ではなく)仕事から帰宅された主介護者様の同席のもとで診察を行って話したり、デイサービスのご利用時間帯などを配慮してもらうことなく訪問診療を受けていただくことが可能です。
・医師一人で訪問しておりあまりキャパシティーは大きくありません。当クリニックで行える訪問診療件数は近隣で数件程度までとさせていただいております。悪しからずご了承ください。